結論から言うと、生まれつき短い睡眠時間でも問題なく生活できる人は実際に存在します。
ただし、それは「普通の人が睡眠時間を削っていれば、そのうち慣れる」という話とは別です。
「ショートスリーパーって結局どうなの?」という疑問を6つに分けて調べてみました。
そもそもショートスリーパーって何?
単純に睡眠時間が短い人を、すべてショートスリーパーと呼ぶわけではありません。
睡眠研究では、Natural Short Sleeper(生来の短時間睡眠者)と呼ばれる人たちが研究されています。
この人たちは、長期間にわたって一般的な人よりかなり短い睡眠時間で生活しているにもかかわらず、日中に強い眠気などが見られにくいという特徴があります。
さらに、家族内で同じ特徴が見られるケースもあり、遺伝的な要因が関係していると考えられています。
実際に、短い睡眠時間と関連する遺伝子変異が報告されています。(PubMed)
つまり、同じ短い睡眠時間でも
「生まれつき必要な睡眠時間が短く、睡眠時間が足りている人」
と
「睡眠時間が足りない人」
がいます。
ここがショートスリーパーを考えるうえで最も重要なポイントです。
本当に4~6時間睡眠で問題なく生活できる人はいる?
います。
自然に短い睡眠時間で生活する人は実際に確認されています。
例えば、DEC2/BHLHE41という遺伝子の特定の変異を持つ家族では、短時間睡眠の特徴が確認されました。
その後の研究でも、複数の遺伝子変異と短時間睡眠との関連が報告されています。(PubMed)
重要なのは、
「4~6時間しか寝ていないけど、我慢している」
という状態ではないことです。
本人にとっては、それが自然な睡眠パターンになっています。
生まれつきのショートスリーパーは何が違う?
まだ完全に解明されたわけではありませんが、遺伝子が睡眠・覚醒の仕組みに影響していることが分かっています。
例えばDEC2/BHLHE41は、睡眠時間の調節に関係する遺伝子として研究されています。
ほかにも複数の遺伝子について、短時間睡眠との関連が報告されています。(PubMed)
つまり、ショートスリーパーは単純に、
「睡眠不足に耐える精神力が強い人」
というわけではありません。
むしろ、
「そもそも必要とする睡眠量や睡眠・覚醒の仕組みが、遺伝的に一般的な人とは異なる可能性がある」
と考えたほうが近いでしょう。
普通の人もショートスリーパーになれる?
結論として、普通の人が睡眠時間を削り続けることで、生来のショートスリーパーと同じ状態になれるという根拠はありません。
ただし、少しややこしいことがあります。
睡眠時間を減らしていると、
「眠さそのものには慣れてきた」
と感じることがあるのです。
「眠くない=睡眠が足りている」と考えていい?
必ずしもそうとは言えません。
眠気を感じなくても、睡眠不足による機能低下を自分では認識できず、実際のパフォーマンスは低下している可能性があります。
6時間睡眠を14日間続けた実験
代表的なのが、Van Dongenらが行った実験です。
健康な成人48人を対象に、
- 4時間睡眠
- 6時間睡眠
- 8時間睡眠
という3つの条件に分け、14日間続けてもらいました。
その結果、4時間・6時間睡眠のグループでは、認知パフォーマンスの低下が日を追って蓄積しました。
ところが、本人が感じる「眠気」は最初に増えた後、それほど大きく増加しませんでした。(PubMed)
つまり、
実際のパフォーマンスは徐々に低下している。
それなのに、
「自分はそこまで眠くない」
という状態が起こったわけです。
なので
「眠くないから大丈夫」
という自己判断だけでは、睡眠が十分かどうかを判断できない可能性があります。
結局、自分がショートスリーパーかどうかはどう考えればいい?
「最近6時間でも眠くなくなった」
というだけでは、ショートスリーパーとは判断できません。
なぜなら、睡眠不足による客観的な機能低下があっても、本人がそれを十分に自覚できない可能性があるからです。(PubMed)
つまり、
「短時間睡眠でも眠くない」
というだけでは、
「ショートスリーパーである」
とは判断できないわけです。
一般的な成人については、米国睡眠医学会(AASM)などが定期的に7時間以上の睡眠を取ることを推奨しています。(AASM)
そのため、
「6時間で眠くないから、自分はショートスリーパーだ」
と判断して睡眠時間を削るのではなく、まずは7時間以上の睡眠を確保する。
これが、一般的な成人にとっては最も確実な考え方でしょう。

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